まだ私(村中)が駆出しだった頃、立派な眼科医になりたいと思い必死に目の解剖や生理、眼病の成因や治療法など、先輩医師に教えを請うなり、教科書や学会で勉強するなりしていました。
まだその頃は、学ぶべき事や身につけるべき技術は有限個数で、いつか十分に知り得た、という日が来るものだと思っていました。しかし、不思議なことに、もし有限個数なら知れば知るほど残量が減ってくる(少なくともそう感じる)はずなのですが、一向に減らない。減らないばかりか、知れば知るほど、自分がまだ知らないことが無数にあることが分かるし、手術などの手技が上達すればするほど、100点満点の基準が上昇し、いつまで経っても100点満点に到達しない。
夢の中で、喉の渇きを癒すために、水を飲んでも飲んでも満足できない、でも、飲むことを止められない、それと同じ感覚で、眼に関することなら何でも知りたい!という渇望感は今でも癒えることなく続いています。